ベトナムでは広告が社会悪?

急激な経済成長により、ベトナム人の消費行動が随分と変わってきていることは、当ブログでもよく取り上げるテーマであるが、10年前と比較するとどんな具合に変わったのだろう。

 

 

Dau Tu紙(8/11付)に面白い記事が掲載されていた。

 

「市場調査会社TNSの調査により、過去10年でベトナム人の生活が大きく変化したことがわかった。

(中略)、以下10のキーワードからベトナムの高度経済成長が具体的に読み取れると話す。」

 

とある。

 

 

10のキーワード。

これは、「健康」「ファッション・美容」「食」「購買欲」「家庭・生活」「エンターテインメント」「資産管理」「消費」「IT」「広告」のようだ。

 

 

特に面白い記述をDau Tu紙(8/11付)より抜粋すると、

 

「ファッション・美容」

:10年前は日常的に化粧をする人が10%に満たなかった。だが現在は80%に達し、生産・販売面でも個人向けケア商品が非常に大きなシェアを占める。この分野は図抜けた成長を遂げている。

⇒確かに、化粧をしていない人、特に年配の方に多いが、若い人を中心に、街中では化粧をしている人も多くなったように思う。

 

「資産管理」

:豚の貯金箱や枕の中に貯金していた時代は終わり、ATMやクレジットカードの利用、保険加入、融

資・借金など、新たなサービスが市民権を得つつある。

⇒ATMの利用者は、ここ数年でかなり増えた。デパートの入り口近くで現金を引き出している人や、休日や夜のATM利用者を見かけることも多くなった。

しかし、豚の貯金箱は見かけたことは無い。

 

「IT」

:10年前、Fax送信に1枚で6ドル、国際電話1本に6ドルかかり、携帯電話やインターネットは皆無だった。だがこの10年でベトナムはテクノロジーを吸収・活用することで状況は激変した。また通信料は国内外の投資により格段に下がっている。

⇒確かにインターネットの普及が状況を一変させた。今ではemail、Skypeなどでほぼ事足りる。それもほぼ無料。しかしながら、まだFAXでしか対応してくれない企業(特に国営)もあるので、成長を期待したい。

 

「広告」

:90年代初頭、ほとんどのベトナム人が広告を社会悪・反社会的なものと見なしていた。現在では4分の3の人が、テレビ広告を信頼に足る情報だと考えている。

⇒これには「意外」と思う方も多いと思うが、広告はかなり規制されている。特にコンシューマー向けビジネスをベトナムで行う際は、かなり気をつける必要がある。

しかし、「社会悪、反社会的なもの」とみなされていた時代は、いたるところにある「看板屋」は、悪徳商売人と言われていたのだろうか。

今でもあるが、思想教育の看板が目立つベトナムでは、広告を出すこと=反社会的だったのだろう。