先日ある経営者からのご相談で、現在雇用しているベトナム人社員が近々在留期間が終了するため、更新に関しての相談がありました。
この会社は自動車整備業で、数年前から高度人材のビザである「技術・人文知識・国際業務」でベトナム人を雇用していました。そもそも高度人材の在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、資格外活動になる可能性が高く、この業務での延長申請は難しい。
また自動車整備は「自動車整備士」という国家資格があり、在留期間を延長する場合、この資格がないと延長できない、と困っている状況でした。
そもそも、なぜ「技術・人文知識・国際業務」で自動車整備の仕事ができているのか?という疑問がありますが、これには彼が入国してからの経緯が関係していました。
留学生として、短期大学に入学。自動車整備を専攻し卒業後、人材派遣会社に入社し、派遣先が自動車部品関連の大手企業でした。
この派遣先は規模も大きく、設計から製造、メインテナンスなど様々な業務をしており、すんなりと在留資格が交付されたのだと思われます。また在留期間も3年で取得できていました。
しかしこの会社での派遣契約が1年で満了。それで職場を探し、今の会社に転職しそろそろ在留期間が切れるので、どうしたら良いかという相談でした。
彼の場合、国家資格を取得しないと自動車整備の業務での申請は難しく、また短期大学卒業で、日本語能力検定試験の合格書もないというナイナイずくしの状態では、高度人材ビザ「技術・人文知識・国際業務」での申請は非常にリスクが高い。
このまま雇用し続けると、場合によっては資格外活動を助長したとして「不法滞在助長罪」になる可能性もあるので、帰国を奨励しました。もちろん、本人は悪いことは一切していないのですが、法律を準拠するという観点では、仕方がないのではないかと思います。
このように、入国時の状況や、法律の改変、資格要件の変更など、様々な条件によって、ビザが取れたり取れなかったりするのが、今の日本の在留管理制度です。
リスクをなくし、外国人の方、日本企業の双方が安心してはたらける環境づくりを実現化させます。