最近、大学生と接する機会が増え、彼らの趣味やトレンドなど、若年層の感覚が以前とは変ってきたように思うことが多くなった。
携帯電話もiPhoneやBlackberryなどのスマートフォンで、Facebookに頻繁にアップデードしてたり、情報交換もかなり親密にリアルとバーチャルのコミュニケーションをしているようだ。
ベトナム戦争後の親世代の子供達である彼らは、ベトナムの人口ピラミッドを見てもわかる通り、最も人口が多い世代でもある。
ビジネス誌Thoi Bao Kinh Te Sai Gonによると、この若年層の動きが消費にも直結していると報告している。
「心理的にも複雑に変化しているこの世代は親と感情や考えを分かち合うのが難しいと考え、友人が精神的に最も信頼できるものになっている。よって彼らはいつでも友人と連絡を取り、情報をアップデートできる方法を探している。1日の70%を友人との時間に費やしている人もおり、連絡手段としては携帯電話やインターネットが強く、大都市でのインターネット利用状況に関する最近の調査でインターネット利用者の79%が15~19歳という結果も驚くことではない。今ではティーンなら誰でもブログ やチャットに親しみ、メールアドレスを持ち、オンラインフォーラムやSNSに参加し情報をアップデートしている。」とある。
大都市でのインターネット利用者の約80%が15-19歳というのは、非常に興味深いデータだ。
「最近の10代は非常に積極的で自信と創造力に満ちている。90年代生まれによるビジネスはもはや珍しいものではなく、最も一般的なのはファッションショップやカフェ、ネットショップなどだ。客層もティーンが多い。」と続く。
最近の若年層のカルチャーやファッションなどについても、私の世代(40歳代)の方がダサいということも珍しいことではないと感じることが多い。
今後のベトナムでの消費市場を考えるにあたり、この世代をターゲットにしたビジネスは潜在力が大きいと思える。ただ、情報交換を頻繁に行う彼らの心理の変化は、ビジネス側にとっては複雑に対応することが重要な要素になると思う。
「この世代は新しいものに偏見がなく、冒険好きだが、目移りが激しく、彼ら向けの商品の寿命は短い。つまりビジネスマンは常に情報を更新し、新しいトレンドに沿ったビジネスを展開しなければならない。」
まさにその通りだと思う。元々飽きっぽい彼らがより一層飽きっぽくなるわけだ。
そこで「この市場に対応する重要な3要素としては『スピード』『センシティビティ(感応性)』『スマート(洗練さ)』が必要になってくる」と締めくくっている。
内需が今後大きく期待できない日本市場。そこで新興国に進出を考える日本企業にとって、流通、外食、小売など今後ベトナム市場に進出する際は、この要素を考えたマーケティングが重要になると思う。