ベトナム人は手持ちの資金をどう活用するかを、日々悩ませている。ベトナムでは、通貨がベトナムドン、USドル、不動産、証券、預金など、すべての情報を元に、短期・長期とどう運用するかを日々考えている経営者が多い。そこで、Dau Tu紙(9/28)にそれぞれの傾向が掲載されていたので紹介する。
以下が各金融商品に関するコメントと私の所感です。
・金(きん)
「ドル安、物価上昇、投資ファンドの金購入需要、アクセサリー需要、中国やロシアを中心とした多くの国の外貨準備の再構築などにより引き続き上昇すると予測。しかし国内の価格は国際価格へ大きく依存しており、金の波は通常短い。」
どうも、金への投資は少ないとみているようである。ベトナムでは、古くから愛用されている金。流動性も高いため非常に便利ではあるが、色々な金融商品ができたこともあり、特に高齢者には使われているように思う。
・証券
「235.5ポイントまで下がった2月24日以降の証券市場は大きな利益が得られるものとなった。9月23日のVN-Indexは582.11ポイントで、2月24日に比べ147.2%、前年末比で84.4%、5月末に比べ41.4%上昇した。VN-Indexは1月が3.9%下落、2月が19%下落だったが、3月以降は上昇を続け、それぞれ▽3月:14.2%、▽4月:14.6%、▽5月:28%、▽6月:8.9%、▽7月:4.1%、9月は24日までで5.1%の上昇となっている。」
結果論ではあるが、年初から持ち続けていた場合は救われたという感じか。しかし私の知り合い達は、今でもまだ3-4割損をしていると聞いている。高すぎた訳だ。
・不動産
「経済回復を迎え、ここ1年間の通貨政策の緩和と年間投資額がGDPの42.2%になるという見込み、また建材価格の低さから不動産市場は再加熱し、建設業界の価値上昇に重要な貢献をする。今年の成長率は12%と予想され、工業の約4倍、全国のGDPの2倍となる。一部地域、商品では取引数や価格が上昇する兆候が見えている。」とある。
確かに上り調子ではあるものの、物件数の増加による相対的な需要減も考えられる。個人向けのアパート等の住居は若年層の婚姻などで増加するため、上昇すると思われる。
・預金
「名目金利が物価上昇率よりも高いため実質的に利益がでており、安全で、比較的小額の資本を所有している人、投資リスクを恐れる人にとって適当なものだ。資金はあるが、投資先を決めかねている人が一時的に銀行に預け時機を待っている。」
預金口座開設競争もあり、一般投資家には有利だと思われる。とはいってもインフレリスクが伴うので注意するべきではある。
・外貨
「今年の外貨については、価格が下落した月はない。今年8カ月の上昇率は6.36%で、昨年同期の3.78%の2倍近く、また昨年年間の6.31%より高くなっている。今年の外貨上昇はベトナムへ入る外貨量が減少していること、輸出を促進し、輸入超過を抑えなければならない傾向が強まっていることがある。」
日本人としては、円が気になるところである。10/5現在 1USD=89円台となり、100円=20000VNDを超えた。これは、個人的には非常にありがたい。預金口座を作るのなら今かも。