外資離れ?ベトナム人の就職観に変化

オフショア開発の件でお伺いする企業で、声を合わせておっしゃることがある。

 

「開発リソースが足らない」

「募集しても効果が低い」

「協力会社もマンパワーが足りず限界」

 

エンジニアが本当に不足しているようである。

もちろん案件数が増加していることはもちろんだが、離職率の上昇によるエンジニア不足と、協力会社の案件の選定が、この減少をより深刻にさせているのだと思われる。

 

弊社でも、人材採用を行っており、ベトナムでも採用を進めている。

応募数はそんなに多くはないが、6〜7月にかけて、アシスタント、日本語講師、オフショアサポートエンジニアの3職種で面接を進めている。

ベトナムでは一応外資系企業なので、国営企業や民間企業よりも待遇面(特に給与)に関しては、市場を見極め対応している。

ワークスタイルも、個人のパーソナリティや得意とする仕事内容、実績などを考慮して、採用を進めている。

 

ベトナムではここ数年、外資系企業への就職が、良い待遇を得るための最高手段であるといわれており、人気も高い。

海外留学や、語学学校に入学するなど、語学の勉強を積極的に取り組んでいる若年層も多く見受けられた。

 

しかしここに来て、彼らの就職観に変化が出始めたようだ。

 

 

Tuoi Tre紙(7月11日)によると、

 

「5年前は、優秀な人材は外資企業へ流れ、多数の国内企業が苦戦を強いられた。外資企業では給料がドルで支払われ、若者はそれを一つの成功と見なした。だが現在、人材市場では異変が起きている。優秀な人材が外資企業に別れを告げ、国内企業に戻っている。」

 

とある。

どういう理由からこのような現象になったのだろうか。

 

 

再度Toui Tre紙は、こう分析する。

 

「国内企業は派手に求人を行うのでなく、賃金やボーナス、職場環境の改善などを通じ、優秀な人材に対し静かに扉を開いている。リクルーティングの方針と育成プランを変更、人材採用に努めている。」

 

つまり、外資系と国内企業との「賃金差」が縮まり、その上で「職場環境」を重視する人が増えてきたためということらしい。

確かに言われてみれば、弊社で採用したアシスタントも、最初は弊社の条件の方が良かったが、競合となる企業が同じ待遇に変更し、最終的に同じようになったことがあった。

※幸い、弊社に入社してくれましたが・・・

 

弊社も、このベトナム人の就職観の変化を充分に理解した上で、次の展開を考える必要がある。

また辛い課題が起こりうるかも。